2008年12月18日木曜日

おいしそうな油田。

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ふたりづれの一人は30代の男性で、もうひとりは若い女性だった。男性は話の途中で何度となく新しい書類を鞄から取りだして、ボールペンの先で示したり、二つに畳んだ紙を取りだして数字を確認したり、印刷されたパンフレットのようなものを出してみたりと忙しかった。話なんか聞くつもりがなくても、男性は女性を勧誘しているのだった。

「この場合リソースはオイルです。これを開発して、月産で何バレルって掘るわけですよね。そういう目標を持って、彼ら、取り組んでいる。あ、もちろん軌道修正が必要な場合もあるんですよ。そう、カレンダーとにらめっこしてね。僕も行ったことがあるのでね。うん、なんか思い出して来ちゃったな」

実際に聞こえていたことのうち確かなのは、リソース、開発、目標、軌道修正、それと思い出して来ちゃったな、の5つだった。

でも、たぶんそんな話だろう。

「エネルギーって感じしますよ、オイルって」

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