2008年12月19日金曜日
スターバックスが絶対出店しないところにある小さなカフェについて
町外れにはいくつもの丘が群れを成していた。その中でも周囲をぐるりとひもでくくるとちょうど正円になる、完全な形の丘があり、勾配ははじめ緩く、頂上へ向かってややきつくなり、てっぺんにはテレビ塔が立っている。
丘の東西の上り口にはそれぞれ同じ向きに川が流れている。ごく小さな川だ。ふたをしてあるところを小学生達が通学路に使っている。車がひっきりなしに通る。丘に沿って作られるため、道はどこも、いやどこかしら、緩く曲がっている。
西から少し丘を登ると、坂道のてっぺんから2匹の犬が駆け下りてくる。その姿は近づくにつれてだんだん大きくなり、毛糸玉のようだったのが、しっかりと犬の形になり、じゃれつきながら、近寄ってくる。
犬たちはうまいぐあいにカゴをつけていて、荷物を受け取って、2匹して、一足さきにカフェへと駆けていく。
漂流するコーヒーの香りのひとすじが、鼻をかすめる。
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