シンデレラじゃあるまいし、そんなに走らなくったって、だいじょうぶだよー。
イタチはいつの間にか絶叫していた。「うふわっ」と言って、自分の声で目が覚めた。ああ、疲れた、あんなに走って、とイタチは思った。
なんで走ることになったんだっけ? とイタチは思った。それは、気づいた時は12時になりそうだったからだ。まずい、早くしなきゃ、早く早く──それが始まりだった。シンデレラじゃあるまいし、とイタチは思ったのだ。
ただしイタチには「これは夢」とわかる「回路」がない。どうしてかは知らない。しかしイタチにとっては夢もほんとうも同等なのだ。
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