2008年11月8日土曜日

風の便りを。

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意外に思うかもしれないが、イタチには手紙という文化がない。文化ぐらいありますよ、とイタチは反論してみせるのだが、手紙のほうはとんと駄目なのだ。やぎさんと同じですね。そういってからかうと、そうですか? とイタチは聞き返して、やぎさんとねえ、と思いめぐらすのだった。

「やぎはそれで、手紙の中味がわからなくなっちゃうんですけどね」
と私は言った。
「そんなわけはないでしょう」
とイタチは言った。「私たちにはわかるんですよ、つまりネットワークで」

「ネットワーク?」
「はい。携帯電話のようなものです」
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