2008年9月25日木曜日

奇譚のしっぽ。

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「最近さ、その目玉がさ」と夫は私の目を指して言った。「話をしているときに、黒目が白目の中へ浮いてるよ。目を見開くとは言うけれど」
「つまり、西川きよしみたいに?」と私は訊いてみた。
「うん。気を付けたほうがいいよ」と夫は言った。
確かに、最近どうも目玉が乾くと思って目薬を点したりしてたのだった。

「でも、どう気を付けるのかな?」と私は訊いてみた。
「わかんないけど」
「言いたい気持ちが強すぎるのかも」と私は言ってみた。
「わかんないけどね、そうかもしれないよね」

そんなことを言われたのは初めてだった。これはリョーシ猫にそうだんしなきゃな、と私は思った。
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